先日、古本屋さんで、小学生の頃に読んだ『チョコレート戦争』(作 大石真)を
見つけました。
懐かしくなって、思わず購入〜。

この表紙、めっちゃ懐かしい!
……そして、うん十年ぶりに読んでみた感想。
「あれ? こんな話だったっけ?」
私の記憶では、
テストで悪い点を取った男の子たちが、
高級菓子店のショーウインドーに飾られていた「ケーキでできたお城」を盗む計画を立て、
いざ、盗み出してみたら、ケーキは偽物だった――そんな話だと思っていました。
でも、全然違った。
ショーウインドーを割った濡れ衣を着せられた子どもたちが、
自分たちを犯人扱いした金兵衛(きんべえ)社長に抗議するため、ケーキのお城を盗み出す。
そんな物語だったんです。
子どもの頃は、きっと「ケーキを盗む」という部分ばかり印象に残っていたんでしょう。
でも、大人になって読むと、心に残ったのは別のところでした。
大人の「決めつけ」
金兵衛社長は、証拠もないまま、「明と光一」を犯人だと決めつけてしまいます。
そして学校に電話をして、桜井先生を呼び出すのです。
でも桜井先生は、彼らがやってないと信じ、金兵衛社長に猛抗議した。
素晴らしい先生です。
だけど。
ショーウインドウが割れた瞬間、その前に立っていたのは光一と明しかいない。
しかも、この直前に、彼らはその高級ケーキ屋「金泉堂」へ行って、
お金が足りなくてシュークリームを買えなかった。
そして、光一はポケットに「空気銃」まで持ってたんですよ。
ごめん。わたしがその場にいた大人なら、絶対「怪しい」って思うわ(笑。
そして。
金兵衛社長の背景には、今まで苦労して店を守ってきた人生がありました。
彼は靴磨きから身を立て、
仕事ぶりを認められたフランス人・ハリーさんに見出され、
フランスで修業して一流の菓子職人になった。
……もう、金兵衛さんだけで朝ドラが一本作れそうな人生だよ(笑。
だからこそ、自分のお店が傷つけられたことに腹を立てる気持ちも分かります。
でも「決めつけ」って、色んな人の心に傷つける。
大人になった今、そのことを改めて考えさせられました。
伏線回収が見事でした!
今回、創作をする立場で読んでいて、一番驚いたのはここ!
伏線の回収が、本当にうまい。
読み進めるうちに、
「明と光一が犯人じゃないなら、ショーウインドーを割った本当の犯人って誰?」
と、思ってました(笑。
ところが、最後。
作者から「最後まで読んでくださいね」と言われるように、
きれいな流れで真犯人が現れます。
※以下ネタバレです。
その人物は物語の途中で、明を学校まで送ってくれた、ダンプカーの運転手さんでした。
さらに、光一たちがお城のケーキを盗み出す計画が、金兵衛社長に知られてしまうのも、
明のかけ間違えた電話を、
たまたま社長の次男のクラスメイトが取ったことがきっかけだった。
だから事前に、ケーキでできたお城を偽物と交換できたんです。
どちらも読んでいる最中は、ごく自然な出来事なんだよね。
でも最後になると、
「あれは、これだったのか!」
と、全部がつながる。
この自然な伏線の張り方と回収の仕方には、思わず唸ってしまいました。
私だったら、もっと「伏線ですよ!」と主張しすぎてしまいそうです(笑。
子どもの頃と変わらなかったこと
……とはいえ。
子どもの頃も、大人になった今も、変わらなかった感想が一つだけあります。
エクレール、おいしそう。
読んでいたら、ものすごく食べたくなりました。
そして、買いに走った!
でもうちの近所のケーキ屋さんって、このご時世のせいか、気付けば消えている‥。
仕方なく、スーパーでエクレア買ったよ。でもウマーー。
最後に
同じ本なのに、子どもの頃と大人になった今では、こんなにも見える景色が違う。
それでも「エクレール食べたい」という気持ちだけは、
何十年経っても変わらなかったようです(笑。
でも。
食べたい時に、好きなお菓子を買いに行ける。そこは、子供の頃とは違いました。

「その本、大人になってから読んでも、やっぱりエクレール食べたいって思うよ」
エクレアを食べながら、小学生の頃の私にそう言いたい気分でした。

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